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Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 中尾 誠*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 西谷 健夫
JAERI-Research 2004-015, 55 Pages, 2004/10
原研が提案しているDEMO炉の水冷却固体増殖ブランケット概念に対する単一増殖層模擬体系を用いて第1回の一連の積分実験を実施した。第1回の一連の実験の模擬体系は提案している概念の範囲で、できるかぎり単純になるよう計画した。実験の主要目的は、入射中性子のスペクトルに影響され易い第1壁近傍の増殖層のトリチウム生成率をどれだけ正確に予測できるかを確認することと、チタン酸リチウム層内で急激に変化する熱中性子場において改善した実験手法を確認することである。模擬体系は、16mm厚のF82H,12mm厚のチタン酸リチウム及び200mm厚のベリリウム層から成っている。またアーマー材を模擬するためにタングステン層を第1層の前面に追加した。模擬体系は面積等価直径628mmの疑似円筒形状のSS316容器内に設置した。模擬体系に対する積分実験は中性子源反射体付きと無しのD-T中性子源で照射して実施した。本報告では実験結果の解析計算の詳細について述べる。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
JAERI-Research 2004-005, 30 Pages, 2004/03
ほとんどの核融合炉の概念設計において、ブランケットにおける中性子増倍材としてベリリウムの利用が提案されている。その核融合炉のトリチウム増殖比やベリリウムの放射化と核変換の評価においてはベリリウムの詳細な化学組成が必要である。本報告ではトリチウム増殖比の評価に関連する詳細な不純物分析に特に注目した。ここでは2つの異なった方法で不純物を調べた。1つはICP質量分析法による一部の試料の分析であり、もう1つはパルス化中性子を用いたベリリウム体系の積分的分析である。特に後者はLiによるトリチウム生成に対するベリリウム中の不純物の積分的効果の最も有効な分析法として提案した。D-T中性子のパルスをベリリウム体系に入射し、その後の熱中性子密度の時間変化を観測することにより積分的効果を評価した。本研究では構造材級ベリリウムを使用した。この不純物の影響は寄生的な中性子の吸収により実験で得られたLiによるトリチウム生成の反応率を減少させる。核データセットJENDL-3.2を用いたMCNPモンテカルロ計算と実験値を比較した結果、測定された吸収断面積は製作会社の特性値から評価した値より約30%大きくなった。ベリリウム中のLi, B, Cd等の不純物はたとえ10ppm以下でも吸収断面積に影響する。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.58 - 61, 2004/03
核融合施設の天井から漏洩した放射線が空気と散乱して、施設周辺の地上に到達する、いわゆるスカイシャンは、核融合施設周辺の放射線安全に最も重要な項目の一つである。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を2002年3月と2003年3月の2回にわたって実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を測定した。2002年3月の実験ではHe-3レムカウンタを用いて線源から550mまでの中性子線量率分布と200mまでの2次線スペクトルを大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器で測定した。2003年3月の実験ではFNS建屋周辺において、NE213シンチレーション検出器を用いた中性子スペクトル測定とBGOシンチレータ検出器を用いた2次線スペクトル測定を実施した。測定された結果は、JENDL-3.3を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4C)とよく一致し、MCNPによる計算がスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることを確認した。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; Klix, A.; Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 山内 通則*; 中尾 誠*; 堀 順一; 榎枝 幹男
Proceedings of 20th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2003), p.454 - 457, 2003/10
14MeV中性子源FNSを用いた核融合原型炉の増殖ブランケット模擬体系積分実験を実施し、生成トリチウムに対する測定値と計算値の比較・検討を行った。模擬体系は濃縮チタン酸リチウム,ベリリウム(Be)及び低放射化フェライト鋼F82Hから構成された多層構造とした。体系内に設置したLiセラミックス・ペレット中のトリチウム量を液体シンチレーション計数法によって測定することによりトリチウムの生成率を求めた。本測定法の誤差は10%である。また、モンテカルロ中性子輸送計算コードMCNP-4Bと核データJENDL-3.2による計算値は実験値よりトリチウム増殖層平均で20%、Beに面する表面層で3040%過大評価であり、Be中の低エネルギー中性子の輸送に問題があることを示唆する結果を得た。その主な原因としてBe中の不純物の影響とBe(n,2n)等の中性子断面積の誤差が考えられる。そこで、Be単体の体系にパルス状中性子を入射し、熱中性子の減衰時間から実効的な吸収断面積を評価した結果、核データから評価した断面積より30%大きくなっており、Be中の不純物の存在を示唆する結果が得られた。また、Beの中性子断面積に関しては、2つの中性子同時計数法を用いたBe(n,2n)反応断面積の測定を新たに実施している。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
JAERI-Research 2003-019, 25 Pages, 2003/09
流水を用いた中性子モニター法はO(n,p)N反応に基づいている。本研究ではシンチレーション線検出器を用いたITERの中性子モニターシステムを著しく改善するための新しい手法を提案する。基本的概念は核融合炉の真空容器近傍の水中で生成されるNからの粒子によるチェレンコフ光を光ファイバーで外部に引き出し、光検出器で計測するものである。その原理実証実験を2段階に分けて実施する。まず第1次実験では、よく遮蔽された測定室において照射された水からのチェレンコフ光の測定できることを確認する。第2段階では、水を中性子源近傍に設置し、照射下のチェレンコフ光を光ファイバーで伝送して測定する。第1次実験は原研FNSで実施し、第1次実験の目的のためにチェレンコフ光検出器をよく遮蔽された測定室に設置した。FNS加速器は直流モードで運転し、中性子発生率は約210n/s、水ループの流速は約1m/sであった。測定された信号はエネルギースペクトルと減衰時間から、Nの粒子によるチェレンコフ光によるものであると確認した。本研究により、水チェレンコフ検出器は、計数効率が高く、さらにシンチレーション検出器を必要としない簡便な手法であるため、Nの検出器として有用であることを示した。
吉田 茂生*; 西谷 健夫; 落合 謙太郎; 金子 純一*; 堀 順一; 佐藤 聡; 山内 通則*; 田中 良平*; 中尾 誠*; 和田 政行*; et al.
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.637 - 641, 2003/09
被引用回数:9 パーセンタイル:53.22(Nuclear Science & Technology)核融合炉からのスカイシャインは炉の安全の評価上重要であるが、これまでD-T中性子に対するスカイシャインの実験的評価はほとんどなかった。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャイン実験を実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を線源から 550mまでの範囲で測定した。中性子に対しては、He-3レムカウンタ,BF-3比例計数管,線に対しては、大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器を使用した。測定された線量は中性子がほとんどを占め、1.710n/sの発生率に対し、線源から150m及び400mでそれぞれ0.1Sv/h,0.01Sv/hであった。またJENDL-3.2を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4B)と比較した結果、150mまでは、実験値とよく一致することがわかった。また空中に打ち上げられた中性子を線上中性子源とみなす解析モデルは非常によく実験値を再現することがわかった。2次線に関しては6MeVの高エネルギー線が主になっており、スカイシャイン中性子が地中で起こすSi(n,)反応によると考えられる。
田中 良平*; 落合 謙太郎; 中尾 誠*; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; 佐藤 聡; 西谷 健夫
JAERI-Tech 2003-063, 62 Pages, 2003/07
原研FNSにおいて天井に設けられているスカイシャインポートを開放した状態でD-T中性子のスカイシャイン実験を実施し、2次線の測定を行った。NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて、中性子発生源から最大300mまで測定を行った。それにより得られた実験データをアンフォールディングしてフラックスを求め、それに線量当量換算係数を掛け合わせ線量率を算出した。この線量率をモンテカルロコードMCNP-4Bによるシミュレーション計算により得られた値と比較した結果、実験値と計算値は20%内で一致した。この測定で得られた線量率から300mまでではあるが半経験式の導出を行った。また高純度Ge半導体検出器を用いて発生中性子に起因する建屋依存による周辺での2次線核種同定の測定を実施した。その結果、建屋構造材に使用されている鉄からのピークを検出した。また、水素,ケイ素の放射捕獲反応によるピークが検出されたことから、2次線の発生源はこれまで考えられていた中性子と空気との散乱反応よりむしろ、土等によるスカイシャイン中性子の放射捕獲反応が主になっていることを示唆する結果を得た。
寺田 泰陽*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; Klix, A.; 山内 通則*; 堀 順一; 西谷 健夫
JAERI-Research 2002-019, 70 Pages, 2002/10
低放射化フェライト鋼 F82Hは核融合炉の有力な構造材料である。核融合中性子源FNSを用いて、F82Hの放射化特性を得ることを目的として原型炉ブランケット模擬体系に対するD-T中性子照射試験を行い、F82Hシート,クロム箔,タングステン箔における放射性核種56Mn,54Mn,51Cr,187Wの生成反応率を測定した。併せて、評価済み核データJENDL-3.2とFENDL/E-2.0を用いてモンテカルロ輸送コードMCNPによる計算値との比較検討を行った。計算結果は、56Mn,54Mn,51Crともに10~20%程度の精度で測定結果と一致した。しかし、タングステンに関しては、30~40%の精度であることがわかった。また、タングステンの放射化断面積に使用する核データによって大きく計算結果が変わり、タングステンの中性子捕獲反応の共鳴領域における断面積評価に核データによって相違があることを示唆する結果となった。
高橋 幸司; 坂本 慶司; 春日井 敦; 今井 剛; Brandon, J. R.*; Sussmann, R. S.*
Review of Scientific Instruments, 71(11), p.4139 - 4143, 2000/11
被引用回数:14 パーセンタイル:62.89(Instruments & Instrumentation)核融合炉に必要な電子サイクロトロン波加熱(ECH)装置において、炉の真空及びトリチウムとECH装置の発振部(ジャイロトロン)及び伝送系を分離するためにダイヤモンド真空窓を使用する。ECH真空窓は真空容器(第一隔壁)と同等の境界となり、例えば、ITERの第一隔壁の圧力条件として、耐圧5気圧となっているが、ダイヤモンド窓もその条件を満たす必要がある。それを調べるために実機大のダイヤモンド窓(厚さ2.25mm,有効径70mm)を制作して圧力試験を行い、条件の2倍以上となる耐圧10気圧を実証した。また、10気圧の瞬時及び10分間の負荷にも耐えることを実証した。さらに、ABAQUSコードにより応力計算を行い、実験と計算のよい一致を示すとともに、今後のダイヤモンド窓設計に役立つ設計指針を得た。
池田 裕二郎; A.Kumar*
Proc. of 9th Int. Symp. on Reactor Dosimetry, 0, p.881 - 888, 1998/00
FNSを用いた核融合中性子工学研究の一環としてマイクロカロリーメータを適用したD-T核融合中性子場の構造材中の核発熱測定法を開発してきた。測定データはKERMA関連核データ検証で有効に用いられた。その過程で、原子番号の小さい炭素やベリリウムは主に中性子に、高原子番号のタングステンや鉛は主に線が発熱を支配することが分かった。そこで、マイクロカロリーメータ測定を発展させた任意の中性子・線混在場で各々を独立に求めるドシメトリー法を提案した。中性子と線に各々感度が高い異なるプローブ組み合せ、温度上昇の実測値と解析データに基づく感度比から中性子線と線の線量を求めた。測定結果は、中性子及び線の輸送計算から求めた値と概ね一致した。その結果は、本ドシメトリー法の妥当性とともに実際の核融合環境での適用の有効性を示すものである。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 小迫 和明*; 前川 洋; 中村 知夫; M.A.Abdou*; Bennett, E. F.*; A.Kumar*; 渡辺 洋一*; et al.
Fusion Technology, 28(2), p.305 - 319, 1995/09
疑似線状線源を加速器型D-T点状中性子源を用いて実現した。この疑似線源は連続的に動く点源の時間平均をとるか、または、細かく分割した点源を重ねあわせることで得られる。この線状線源はトカマク炉の一部を模擬する円環形状の核融合ブランケット中性子工学実験に利用される。線源特性は放射化法とNE213検出器を用いて、2つの運転モード、即ち連続モードとステップモードで測定された。この線源を用いて行う環状ブランケット実験の線源条件として必要な線源特性計算をモンテカルロコードで行った。この計算の信頼性は測定した線源特性との比較によって確認した。
関 泰
Fusion Engineering and Design, 25, p.49 - 66, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.05(Nuclear Science & Technology)日本でなされた核融合炉の設計研究をレビューし、各炉型の長所および実現に必要なR&D課題を摘出した。1973年になされたトカマク型動力炉の設計以来多数の磁気閉じ込め及び慣性閉じ込め核融合炉の検討がなされてきた。これらの大部分がD-T燃料サイクルを用いているが、近年D-Heサイクルを用いたものが検討され始めた。核融合動力炉を実現するために必要な技術として、構造材料、超電導磁石、中性粒子入射装置、プラズマ対向機器、トリチウム増殖ブランケット、真空技術、トリチウム処理・安全取扱技術及び遠隔操作技術をレビューした。そして核融合炉に必要な技術レベルと較べて現在の達成レベルを評価した。
関 泰
Fusion Engineering and Design, 25, p.5 - 13, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.05(Nuclear Science & Technology)1993年9月に米国にて開かれた第5回IAEA核融合炉設計と技術に関する技術委員会会合とワークショップのサマリーをとりまとめた。会合で報告された核融合炉の設計の現状をまとめた。トカマク炉、ステラレータ、逆転磁場ピンチ型の磁気閉じ込め核融合炉、最近なされた6通りの慣性閉じ込め核融合炉、D-He炉および核融合-核分裂ハイブリッド炉の設計を紹介した。
池田 裕二郎; 今野 力; 小迫 和明*; 浅井 雅人*; 河出 清*; 前川 洋
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(10), p.967 - 973, 1993/10
被引用回数:4 パーセンタイル:44.86(Nuclear Science & Technology)Nb(n,n)Nb反応の14MeV領域での断面積を放射化法で測定した。この反応は閾エネルギーが低く半減期が13.6年と長いことから高速炉のみならず核融合炉ドシメトリーで有力な検出器として期待されている。しかしながら、1~9MeV領域で複数の実験データが報告されているが10MeV以上では14.3MeVにRyvesの報告が1点あるのみで断面積評価精度は十分とは言えない。本実験では、FNS回転ターゲットを用い厚さ12.5mのニオブ箔をD-T中性子で照射し(~410/cm)、照射後NbのKX線の測定から反応率を求め断面積を導出した。中性子束はNb(n,2n)Nb及びCu(n,)Co反応から求めた。本実験で得られた14.5及び14.9MeVでの断面積は、Ryvesの測定値、IRDF-90及びJENDLドシメトリーファイル評価値と比較して5~15%高い値を示した。本実験データを含めた14MeV領域での断面積の再評価が強く望まれる。
池田 裕二郎; A.Kumar*; 今野 力; 小迫 和明*; 大山 幸夫; 中村 知夫*; 前川 洋; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*
JAERI-M 93-018, 164 Pages, 1993/02
核融合ニュートロニクスに関する原研/米国DOE共同実験計画の一環として1988年より誘導放射能実験が開始された。目的はDT中性子場での一連の核融合構造材の放射化特性を明らかにし設計に用いる計算コード及び核データの妥当性の検証を行うことにある。これまでに第2段階C、第3段階A,Bで実験が終了し、主要構造材を含む20の材料を対象として照射時間が、30分、10時間、冷却時間が10分から1週間までの崩壊線スペクトルデータを測定した。得られた実験データを基にして、主な計算コードシステム、THIDA-2,REAC2,DKRICF及びRACCによる実験解析を行った結果、幾つかの物質で、計算に用いた崩壊データ並びに放射化断面積の不備が示され、本実験の果たした役割の重要性が明らかとなった。本レポートは、実験手法、これまでの実験データ及び一連の解析結果を共同報告書としてまとめたものである。
前川 洋; 大山 幸夫; 田中 俊一
Proc. of the Topical Meeting on New Horizons in Radiation Protection and Shielding, p.611 - 618, 1992/00
1981年4月のFNSの完成以来、核融合炉の開発のための遮蔽実験を実施してきた。それらは、(1)コンクリート、鉄及びSUS316L体系でのバルク遮蔽実験、(2)2種類の大口径ダクト、小口径ダクト、マルチスリット及びオフセットリットによるストリーミング実験、(3)大きなコンクリートを用いたキャビティ実験、である。また、1991年からはITER/EDA計画に貢献するため、新たなバルク遮蔽実験を開始した。
関 泰; 飯田 浩正; 川崎 弘光*; 山田 光文*
JAERI 1301, 125 Pages, 1986/03
D-T燃焼えを行う核融合炉において14MeV中性子によって惹き起こされる放射能は多くの問題を生ずる。誘導放射能は炉停止状態に従事者の近接を制限し、崩壊熱を出し、放射性廃棄物を生み出す。核融合や装置の誘導放射能と周辺の線量率を計算するためにTHIDAコードシステムが1978年に開発された。このTHIDAぬ多数の改良を加えた大幅に進歩させてTHIDA-2とした。主な改良点は以下も通りである。1、3次元計算モデルを取り扱えるようににした。2、遅発ガンマ線の輸送を考慮した精度良い崩壊熱計算。3、データ入力を簡易化して使いやすくした。4、出力形式をわかりやすくするとともにするとともにプロッター出力を加えた。5、バリアブルディメンションの採用により大きな記憶容量を要する問題を解けるようにした。本報告書はTHIDAー2システムを完全な形で説明したものである。
関 泰; 川崎 弘光*; 前川 洋; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 中村 知夫
JAERI-M 83-061, 33 Pages, 1983/04
1978年に黒鉛反射体付酸化リチウムの擬似球体系においてTh、U、NpとUの核分裂率分布が測定された。この体系の中心において14MeV中性子をD-T反応により300kVコッククロフトウォルトン型加速器PNS-Aを開いて発生させた。核分裂率分布を、最近評価し直した原子数密度と最新の核データを用いて計算した。その結果計算された核分裂率の値は測定値とほぼ実験誤差の範囲内で一致した。両者の一致は酸化リチウム領域で特に良く、この領域における中性子のスペクトルが正しく計算されていることを示している。黒鉛領域におけるThの核分裂率についての不一致はTh核分裂計数管の中に核分裂核種の不純物の存在を暗示している。黒鉛領域の酸化リチウムに近い位置ではUの核分裂率を計算値は約15%過大評価している。
関 泰; 飯田 浩正; 川崎 弘光*
JAERI-M 82-054, 22 Pages, 1982/06
核融合炉のブランケットと遮蔽材料の中で6種の候補材料の放射線遮蔽特性を比較した。6種の材料としてはかなり異なる核的性質を持ったもの、すなわち鉛、ステンレス鋼、重コンクリート、普通コンクリート、酸化リチウムと水を比較の対象とした。トカマク型核融合炉を単純化した計算モデルに上記材料を配置し、材料中の種々の核特性量やレスポンスの減衰を計算した。結果を図形表示して表の形にまとめて比較した。比較した6種類の材料の中では、14MeV中性子束の遮蔽にはステンレス鋼が、全中性子束の遮蔽には重コンクリートが、そしてガンマ線の遮蔽には鉛が最も適していることが示された。
大和 春海*; 太田 充; 森 茂
Nuclear Fusion, 12(5), p.603 - 606, 1972/05
先に核融合炉が定常運転される場合炉心プラズマの温度、密度が不安定な挙動を示す領域が存在し、不安定領域で運転される場合にはフィードバック制御が必要であり、その可能性について時間遅れを考慮して検討した。しかし、その過程では、現象を概念的にとらえるために空間的に一様な温度密度分布を仮定した。ここでは円筒座標の一次元空間を考え炉心プラズマの不安定性を検討した。その結果燃料の注入が空間的に一様な場合には先の結論と同じく炉心プラズマには不安定領域が存在し、それはプラズマの粒子拡散係数及び熱伝導率の温度密度依存性に影響をうけることが判った。また高次モードの外乱を与えた場合約0.1secのオーダーでならされてしまい、その速度は高次モード程速いことが判った。